🚀 VB.NET と C# の比較:違いと独自の機能

C#

Visual Basic .NET (VB.NET) と C# は、Microsoft の .NET プラットフォーム上で動作する言語で、機能の大部分は共通しています。しかし、構文、開発思想、および将来性において明確な違いがあるので、調べてみました。

1.全体的な違いの比較表

特徴C# (シーシャープ)VB.NET (ビジュアルベーシック)
構文スタイルC系 (Java, C++, JSに近い)英語の文章に近い (自然言語風)
ブロックの区切り{ } (波括弧)End If, Next, End Sub など
行末の扱い; (セミコロン) が必須改行が文の区切り (行継続は _)
大文字・小文字区別する (Case-sensitive)区別しない (Case-insensitive)
学習曲線記号が多く、最初は少し慣れが必要英語が読めれば直感的で入りやすい
市場シェア・将来性圧倒的に主流。新機能が優先される保守フェーズ。新機能追加は限定的

2.C# にできて、VB.NET にできない(または苦手な)こと

C# は Microsoft の主要言語であり、最新の .NET 機能が優先的に実装されます。

  • ポインタの直接操作 (Unsafe Code)
    • C# では unsafe ブロックを使用し、メモリ上のアドレス(ポインタ)を直接操作できます。高度なパフォーマンス調整などに利用されます。
    • VB.NET では言語機能として直接的なポインタ操作はサポートされていません。
  • 最新の .NET テクノロジーの利用
    • Blazor.NET MAUI など、新しいフレームワークや技術のテンプレートは、C# での記述が前提となっていることが多いです。
  • checked / unchecked の細かい制御
    • 数値演算のオーバーフローチェックを、C# ではコードブロック単位 (checked {}) で細かく制御できます。
  • 簡潔な記述 (シンタックスシュガー)
    • ラムダ式の省略記法、switch式、高度なパターンマッチングなど、コード量を減らすための新しい機能が C# には豊富にあります。

3.VB.NET にできて、C# にできない(または苦手な)こと

VB.NET は「生産性」と「直感性」に焦点を当てた独自の機能を持っています。

  • XML リテラル (XML Literals)
    • VB.NET の最大のユニーク機能です。コード内に XML を直接書き込み、変数として扱えます。
    • C#では文字列として扱うか、クラスを使って組み立てる必要があります。
VB
' VB.NETならこう書ける
Dim myXml = <Customer>
                <Name>Tanaka</Name>
            </Customer>
  • My 名前空間 (My Namespace)
    • My.Computer, My.User など、ファイル操作、ネットワーク、PC情報といった共通の機能へ、初心者でも簡単にアクセスできるショートカットが用意されています。
  • イベント処理の記述 (Handles)
    • メソッドの定義に Handles Button1.Click のように記述するだけで、イベントと紐付けが可能です。
  • 大文字・小文字の区別をしない (Case-Insensitive)
    • 変数名や関数名のスペルが正しければ、大文字・小文字を間違えてもコンパイルが通ります。

4.コードの見た目の違い(比較)

「もし X が 0 より大きければ処理する」というコードの比較です。

C#の場合

C#
if (x > 0) 
{
    // セミコロン必須、波括弧で囲む
    Console.WriteLine("Positive");
}

VBの場合

VB
If x > 0 Then
    ' Then と End If が必要、セミコロン不要
    Console.WriteLine("Positive")
End If

💡 まとめと推奨

  • これからプログラミングを学ぶ / 新規開発をする場合: 間違いなく C# をおすすめします。求人数が多く、ライブラリやドキュメントも豊富で、Microsoft の開発の主軸だからです。
  • 既存の VB.NET システムを保守する場合 / とにかく手軽にツールを作りたい場合:  VB.NET は依然として強力です。特に「My 名前空間」や「大文字小文字を気にしない」点は、小規模な業務ツールをサッと作る際に高い生産性を発揮します。