💻 Arduino IDEにおける #include の使い方と注意点

マイコン開発

#includeは、プログラムに他のファイル（通常はライブラリやヘッダーファイル）のコードを含めるために使用されるプリプロセッサディレクティブです。

１．構文の種類と検索パス

主な構文は2種類あり、検索されるファイルの場所（パス）が異なります。

構文用途検索パス
#include <ファイル名>システムライブラリ標準のArduinoライブラリや、IDEのインストールディレクトリにある**libraries**フォルダ内を検索します。
#include "ファイル名"ローカルヘッダープロジェクトの**現在のスケッチフォルダ**を最初に検索し、その後、標準ライブラリのパスを検索します。

⚠️２． 主な注意点とベストプラクティス

２．1. ヘッダーファイルの重複インクルード防止（インクルードガード）

同じヘッダーファイルが複数回インクルードされると、クラスや関数の再定義エラーが発生します。これを防ぐために、自作のヘッダーファイル（.h）には必ずインクルードガードを記述します。

インクルードガードの記述例（MyHeader.hの場合）

C++

#ifndef MYHEADER_H 
#define MYHEADER_H

// ここにヘッダーファイルの内容（クラス定義、関数プロトタイプなど）を記述

#endif

💡 ポイント: #ifndefと#defineで使われる名前（例: MYHEADER_H）は、プロジェクト内で一意である必要があります。

２．2. インクルードの順序

コードの可読性維持のため、インクルードは一般的に以下の順序で記述することが推奨されます。

  1. Arduino標準ヘッダー（例: <Arduino.h> – ほとんどのスケッチでは不要）
  2. 標準ライブラリ（例: <Wire.h>, <SPI.h>）
  3. 自作のローカルヘッダー（例: "MyFunctions.h"）

２．3. コンパイル時間の増加

#includeは、ファイルの内容を物理的にスケッチにコピーするのと同じ効果を持ちます。不要なファイルをインクルードすると、コンパイル時間が不必要に増加します。必要な機能を持つファイルだけを厳選してインクルードしましょう。

🛠️ まとめ

項目<ライブラリ名.h>“ヘッダー名.h”
用途標準・外部インストール済みライブラリスケッチフォルダ内の自作ファイル
最重要注意点必要なものだけ含めるインクルードガードを必ず使用する

#includeを正しく使いこなすことで、複雑なハードウェアを扱うためのライブラリ機能を活用し、効率的にArduinoプログラミングを行ってうことができます。